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没ネタ救済
今年もエイプリルフールを馬鹿正直に過ごしました。
こんにちは、桃色テクノです。


エイプリルフールに伴うサイト仕様変更とかしてみれば良かった…。
でも正直・・・何も思いつきませんでした。
なんだかなぁ。


全く脈絡はないけれど、テキストファイルを整理していたらオチが弱くて没った雑伊短文が出てきたので以下に置いておきます。

戦場をさ迷う




 「悪い冗談かなんかのようだねぇ」


しみじみと、私は伊作君に呟いた。辺りは土煙と硝煙でうっすら曇った戦場跡である。
例の如く、横たわって動けない見ず知らずの足軽に一通りの治療を施した伊作君が立ち上がった。
何がでしょう。


「いや、伊作君があんまり可愛くって。」

ふ、と吐息の様に笑った伊作君の伏せた睫毛の影が濃い。目の下にクマが浮いている。夜はあまり寝れていないのだろうか。
今晩は一緒の布団で抱いて眠ろうか。

伊作君は包帯やら血止めの薬やらをいっぱいにつめた箱を腕に抱えてきょろりきょろりと辺りを見回した。
手当の間にあった者と、死体と、入り交ざって落ちている。

「今日はおしまい?」
「おしまいです。」


私が尋ねて伊作君が頷いた。穏やかなものだ。
土煙と血みどろの戦場で、ゆらりと猫っ毛を揺らして歩く伊作君のくっきりした目鼻だちは可愛過ぎて、存在自体、こんな場所では悪い冗談みたいだった。
向かい合わせに抱きあげると伊作君の腕が私の首の後ろに回る。背後でかちゃかちゃ薬箱が鳴る。
明日辺りにはまたどこか佳境を過ぎた戦場にこの子を置いて、私はそれを眺めるつもりだった。
私は伊作君の慈善にとても興味があって、見届けたいのだ。
伊作君は死ぬまで伊作君なのか、それともいつか疲れて、普通の人の子に戻るのか。
見届けるまで毎日、私は伊作君を戦場へ届けるのだろう。


「雑渡さん、僕はしあわせです。」
「うん?」


少年を学園から連れ出して二年。
伊作君は少し痩せた。
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桃色テクノ
年齢:
37
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女性
誕生日:
1987/10/19
職業:
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